Goose Berry 

Flyfishing in Siribetu river (尻別川のフライフイッシング)

尻別川は支笏湖を取り囲む外輪山の西を水源とし日本海にそそぐ、流路126kmの北海道第4位の河川です。山岳渓流の趣きがある最上流部、周辺を畑にかこまれた里川の風情の上流部、左右より支流を集め水量が一気に増す中流域。そして、ここ数年スペイキャスターの注目が熱い下流域。
流程に数箇所取水堰があり、減水している箇所もありますが、大体ほぼ全域がフライの釣りの対象になります。

ここからは、あくまで私個人の経験から尻別川の釣りを解説したいと思います。

まず、シーズンですが結氷してしまう最下流域以外、積雪の関係でアプローチは困難になりますが冬でもオフはありません。春の雪代時期(雪解け水で増水する)が短いオフの時期といえるかもしれません。

3月。尻別川の釣りは雪代が入り始める前、桜鱒(禁漁魚種です)の遡上が本格化する前に蘭越町周辺からスタートします。スノーシューなどを利用してアプローチしますが、報われることの少ない厳しい釣りです。日中、気温が5℃以上になる日にはミッヂの羽化につられてライズの見られることもありますが、だいたいはシンクティップラインにストリーマーや大型のウェットフライを結んだ沈める釣りになります。この時期は虹鱒、茶鱒とも大型が期待でき、年によってばらつきはありますが雨鱒もよく釣れます。

4月~5月。桜鱒の遡上が本格化する時期です。密漁の嫌疑をかけられたくなければ海岸に出るか蘭越町昆布より上のエリアで釣りをするかいずれかですが、山女魚(この魚も禁漁期があります)を対象としないのなら、釣りの可能な支流もあります。

6月。本格的にシーズンインです。桜鱒に邪魔されることなく下流から最上流まで好きなスタイルで尻別川を楽しめる季節です。最上流部の岩魚。喜茂別、京極周辺の山女魚。倶知安、ニセコ周辺の虹鱒。蘭越町周辺ではいろいろと話題にのぼる茶鱒(私見としては、在来種に害があるようには思えないのでわざわざ排除することも無いのではと思っています)や虹鱒、そして雨鱒。

日中、ハッチの名残のトビケラに猛然とライズする大鱒。浅場でミノーを狙ってクルージングする茶鱒。ロッドを振る手をしばし休んで川を見ているといろんなドラマがそこにあります。

7月~8月。水温も上昇し、本流の釣りは朝か夕のまずめ時が勝負になる季節です。夕まずめというよりも夜釣りと言いたくなるくらい遅い時間にゴールデンタイム(特に夕立が激しく降った後など)が待っていたりします。日中は避暑を兼ねて支流の藪沢で岩魚やオショロコマと遊ぶのも楽しいものです。

9月~10月。下流域では今度は鮭の遡上が始まります。密漁の嫌疑をかけられたくなければ、蘭越町の目名川合流より上が宜しいかと(鮭はまだまだ上流まで遡上していますが)。

この季節の狙いはなんと言っても虹鱒です。倶知安、ニセコエリアが中心ですが、京極エリア、ラフトコースの早朝とラフトツアー終了の夕刻が侮れません。やはり、伝説の寒別。魚は居ます(ラフトのおかげかもしれません)。

11月~12月。自然産卵できた鮭が命をまっとうする季節でもあります。昨シーズン(07年)は確認できませんでしたが、支流、昆布川にも鮭は遡上しています。鮭がひと段落すると本流では虹鱒の天下がやってきます。この時期の虹鱒はまだまだ日中ドライフライで狙えます。

それと、雨鱒。太古からの営みなんでしょう、鮭の産卵にあわせて雨鱒たちも遡上してきます、道東の河川では顕著ですが、尻別川でも同じです。ただ、河川規模が大きすぎてポイントが絞れないというのがこの釣りを難しくしている理由でしょうか(群れにあたるとびっくりするくらいの数釣りができますが)。

1月~2月。個人的にはこの季節になるとスキーと冬山がメインの遊びになるので、釣りはシーズンオフです。ただし、ビッグワン狙いの釣り人はまだまだ竿は仕舞いません。アプローチにはラッセルが欠かせませんし、氷りつくガイドやラインにいらいらさせられ、しかも報われることが非常に少ない過酷なシーズンと言えるでしょう。

島牧村を中心とした海岸での雨鱒釣りはこのころ本格的にシーズンインします。

1年間はざっとこんな感じでしょうか。

続いて、良く使う道具です。

まず、私自身はシングルハンド、釣り上がり派であることをお断りしておきます。

喜茂別から下って蘭越町昆布あたりまでのロッドは、ドライ、ルースニング、ダウンクロスのウェットと各手段で攻めるのなら8 1/2~9ftで#5か#6。ドライの釣りに的を絞って喜茂別町より上流や各支流で釣るなら8~9ftの#4。を良く使います。ラインはフローティングです。

中、下流域では以前はシングルハンドの9ft #8を使っていましたが、最近はもっぱら2ハンドを多用しています。尻別川は、川原が無く背後に柳のブッシュが生い茂っているところが多いので、スペイの技術はかなり有効です。12~13ftで#7~8クラスのロッドを良く使いますが、エリアによっては15~16ft、#9、#10クラスの必要性を感じるかもしれません。ラインはスカジットなどのシューティングスペイ系のシステムで、シンクレートの違うテイップを使い分けるのが主流です。

フライパターンはこれが無ければというものは思いつきません。ドライでもニンフでも一般的なものでよいのではないでしょうか。強いてあげれば、黒のモンタナニンフと思い切りでかいカディスパターン(マドラーミノーなら尚良し)はけっこう使います。ある時期の鱒には、エッグと死んで流されてくる鮭の肉片を模したものも効果的です。

ダウンクロスの釣りにおいても、格調高いパターンでなくてもOKです。黒、オリーブのウーリーバガーかミッキーフィン、ゾンカーで何とかなることが多いです。

尻別川を釣る上であったらよいなと思える装備に、ウェーデングスタッフ(杖)とスタッド付きのシューズがあります。尻別川の底はほとんど全域でよく滑ります。それから、大きめのランディングネット。用心に越したことはありません。特にニセコ、蘭越エリアは用意おこたりなく。

最上流域、喜茂別双葉エリアと周辺の支流、昆布川流域を除いては熊の心配はまずありません。北海道の河川で熊の心配が要らないところはかなり限られます(近年、本流域、倶知安、ニセコ、蘭越エリアでクマの目撃例有り、ちょっと要注意ですね)。

さて、尻別川でフライの釣りをするにあたって、用意すべき道具を総括してみましょう。

まず、最上流部と各支流。ロッドは7~9ftで#3、#4のライン。ティペットは5xか4x。個人的には8ftの#4。フライはコーチマン10~14、アダムス(パラ)12~16。ヘアズイア10~14、モンタナニンフ(黒)の8。ウェットはほとんど出番が無いですが、たとえばパートリッヂ&グリーン10など。

本流、喜茂別~ニセコは8~9ftの#5か#6。山女に的を絞る場合は#3か#4の8~9ft。一部のエリアでは2ハンドやスィッチロッドでスペイが有効なところがあります。個人的には9ftの#5。リーダーは12ftで日中のライズは5x。ニンフには4X、イヴニングは3xと適当に使い分けています。フライは、山女のライズを獲るならCDCを使ったような繊細なパターン(イマージャーとダン)を。虹鱒は日中は沈めて釣ることが多いので、黒のウーリーやモンタナ。ドライなら6とか8のでかいカディスも。ニンフの釣りが多くなるのでショットの重さに負けないロッドが理想です。

蘭越町よりも下流になると、2ハンドのほうが有利です。バックを取れる場所が限られる上、水量も釣りあがりの限界をこえているような、まさに本流の規模です。1本用意するなら、13ftの#8。が使い勝手が良いでしょう。尻別川は天井に柳がかぶっているポイントが多く、あまり長いロッドはかえって邪魔です。ラインはチェンジャブルでシンクティップになるものが有効です。近年ではスカジットのシステムが好調のようです。

参考になったでしょうか?

Powered by WordPress